キャバクラの給料システムはさまざまな種類があります。ここでは代表的な給料システムを紹介します。

一つの店が一つのシステムではなく、複数あるシステムが組み合わさっているのが一般的です。

実際に受け取る手取り額は「時給 + バック – 雑費 – 源泉徴収」となります。それぞれを詳しく見ていきましょう。

時給は女の子の成績によって変わります

キャバクラの時給は女の子の成績次第で大きく変わります。

代表的な時給システムは『指名・同伴ポイントスライド』『売り上げスライド』『ポイント+売り上げスライド』です。

指名・同伴ポイントスライド

本指名客・同伴客が多いほど時給が高くなるシステムです。

本指名・同伴の人数を集計し、それをポイント化して時給を計算します。

本指名や同伴が多いほど時給が高くなりますが、本指名が取れなければ基本給のままです。

基本となる時給が3,000円の店でも、指名を取れれば時給6,000円以上になります。基本給以下になることはありません。

売り上げスライド

売上をあげればあげるほど、時給が高くなるシステムです。売上金額そのもので計算する場合と、お店の売上ランキングで計算する場合があります。

ナンバー3よりナンバー2が、ナンバー2よりナンバー1の方が時給が高いといった具合ですね。

ポイント+売り上げスライド

客数と売上の両方をバランスよく評価するシステムです。関西よりも関東に多いです。

バック

バックとは、時給とは別に発生するインセンティブの事です。バック率が10%の場合、お客さんが1万円のドリンクを注文したら1,000円が女の子の給与に反映されます。

時給にプラスして、売り上げが上がれば上がるほど給与が多くなります。

同伴手当て

同伴とは、出勤前にお客さんと会って、デートしたり食事をしてからお店へ行くことです。

同伴後はそのままお店を利用するので、自動的に本指名が一つ入るというメリットがあります。

店によって同伴ノルマを設定していることがあります。月に○○本以上の同伴がなければ罰金として給与が下がるシステムです。不安であれば面接段階で同伴ノルマの有無を確認しておきましょう。

アフターは給料が発生しない

アフターとは、お店の営業が終了したあとにお客さんとどこかへ出かけることです。

同伴と似たように思えますが、こちらは給与が発生しません。あくまでも女の子のプライベートな時間を使って行う営業です。お客さんと仲良くなることで、指名を増やすことに繋げられます。

同伴デートの費用はお客さん持ちですから、女の子の財布は影響しません。

指名バック(本指名料)

指名バックとは、お客さんから指名を受ける度に発生するバックです。

相場は約2,000~3,000円となっており、お客さん一人が指名する度に発生します。

常連になると来店の度に給与がアップします。1度に使う額は低くても、頻繁に来てくれるお客さんがいると給与が安定します。

場内指名料(初回指名料)

初めて来店したお客さんが、受付段階で指名することはありません。

入店した後に店内の雰囲気を見て、少しお酒を飲んでから指名することを「場内指名」と呼びます。

場内指名から本指名になりますから、新規開拓していくためには非常に大切です。

ドリンクバック・ボトルバック

ドリンクバックはお酒を注文してもらうごとに入るバック、ボトルバックはボトルを注文してもらうごとに入るバックです。

ドリンクバックは一杯飲むごとに、約数百円程度になります。飲めば飲むほどお金になるというキャバクラの基本的なバックです。

お酒が強い女の子ほど稼ぎやすいですが、お酒に強くなくてもスタッフが気を利かせてくれます。女の子向けに薄いお酒にしたり、お茶やジュースなどのノンアルコールドリンクを用意してくれるのです。

ボトルバックは、売上の20%程度が給与に反映するのが一般的です。キャバクラには一本10万円~100万円を超えるものまでありますから、高級なお酒を注文してもらうことで給与がグッとあがります。

フルコミ(完全歩合制)

キャバクラでは滅多にありませんが、完全歩合制としているところもあります。

時給はゼロ円ですがバック率が高めになっており、バックのみが女の子の給与となります。風俗店の給与システムに多く採用されています。

指名が沢山つけば大金を稼げますが、売上がなければ給料も全くなしです。

引かれるもの(送迎代・雑費・源泉徴収)

『時給+バック』から『雑費・送迎代・源泉徴収』が引かれて手取り金額となります。

雑費とはメイク代や貸衣裳代、その他お仕事に必要なものです。『雑費』ははっきり言って不透明な費用なことが多いです。会社都合で決められているので納得いかないこともあるかもしれませんが、我慢できないような金額なら移籍した方が良いでしょう。

雑費は1日につき500円~1,000円 送迎は1回500円~2,000円くらいに設定している店が多いです。

なんで源泉徴収を取られるの?

源泉徴収とは、本来は従業員が納付すべき税金を会社がかわりに受け取って納付するというシステムです。

国税庁のホームページで『ホステス等に支払う報酬・料金』が解説されています。

2 源泉徴収の対象となる報酬・料金に含まれるもの

(1) 報奨金や衣装代
(2) 深夜帰宅するためのタクシー代

3 源泉徴収の方法

 源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額は、報酬・料金の額から同一人に対し1回に支払われる金額について、5千円にその報酬・料金の「計算期間の日数」を乗じて計算した金額(同月中に給与等の支払がある場合には、その計算した金額からその計算期間の給与等の支給額を控除した金額)を差し引いた残額に10.21%の税率を乗じて算出します。

 この「計算期間の日数」とは、「営業日数」又は「出勤日数」ではなく、ホステス報酬の支払金額の計算の基礎となった期間の初日から末日までの全日数です。

(例)
 ホステス報酬の支払金額の計算の基礎期間3月1日から3月31日(31日間)営業日数25日間、3月分の報酬75万円を支払う場合
 (75万円―15万5千円)×10.21%=6万749円(1円未満端数切捨て)
 ※15万5千円=5千円×31日
 源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額は6万749円になります。

参考:No.2807 ホステス等に支払う報酬・料金|源泉所得税|国税庁

少々ややこしいかもしれませんが、ざっくり言うと「給料の10%を源泉徴収されるのが一般的」ということです。

まとめ

キャバクラの時給はスライド方式で変わりますから、女の子によって合う合わないがあります。

自分と相性の悪い給与システムの店に入ると、思っていたより稼げないこともあります。仕組みを把握して効率的に稼げる店を探してくださいね。

キャバ嬢が実際に受け取る手取り金額は「時給×働いた時間」ではなく、「時給 + バック – 雑費 – 源泉徴収」となります。思っていたより少なかったと感じる方もいますから、しっかり把握しておきましょう。