AV業界では「俳優」という呼び方をしません。「AV女優」「AV男優」という呼び方をしており、「俳優」と書く流れもありません。
女性の「俳優」と「女優」がなぜ混在するかについて、毎日ことばでは、次のような紹介をされていました。
もともと言葉の成り立ちとしては「俳優」が古く、平安時代の辞書「色葉字類抄」に「俳優 ハイイウ」と記述されています。
(中略)
江戸時代にはプロの役者さんは男性のみでしたので、明治になって女性の俳優さんが登場したときには別の単語が必要で、「女優」という言葉が生まれたのだと思います。
AV業界は「プロの役者は男性のみだったところに女性俳優が登場した」とは明確に異なります。
アダルトビデオでは、もともとプロの役者さんは女性と男性の両方がいました。しかもアダルトビデオでは女性が主役です。(現在は女性向け作品、ゲイ向け作品もありますが…)
あくまでも女優の演技を主軸に作品が作られ、AV男優はAV女優の演技を引き出す側に徹します。
新聞などでは男女平等の観点から男女を強調しないような表現がされていますが、AV業界は男女平等でもなく、女性が主役です。
あえて「俳優」と表現することも求められていないのでしょう。
なお、1980年代・1990年代のAV業界では、男優に個性を出すことが求められていました。当時のAV女優はできるプレイが現在のように過激ではなく、フェラチオできればいい方で、本番行為が行われていないこともありました。
そこで、個性的な男優が登場することでAVを売ったわけです。その流れから、ナンパ物の作品で人気を集めた島袋浩さんや、潮吹きで有名な加藤鷹さん、大きな筋肉を持つチョコボール向井さんが登場しました。